不動産購入に向けて押さえておきたいポイントのひとつに、擁壁が挙げられます。
聞き覚えがない方も多いでしょうが、地域によっては不動産によく備わっているものであり、日常的に見かけることも少なくありません。
今回は、不動産購入前に知っておきたい擁壁の基本や注意点について解説するので、ぜひご確認ください。
一部の不動産にある擁壁とは？購入前に知りたい基本
擁壁とは、敷地と道路もしくは周辺の土地との間に高低差があるときに設置される壁のことです。
高低差によって生まれる斜面に何もせずにいると、雨天時はもとより、晴天時にも横圧によって土が崩れてくる恐れがあります。
それでは安心して土地が使えないので、斜面に擁壁が作られるのです。
山が多い地域では地面を削って住宅地などを作っていることが多く、あちこちに高低差が生まれるため、大小さまざまな擁壁が設置されています。
いまひとつイメージがつかない方は、高速道路や日本のお城を想像してみてください。
高速道路は山を削って作っていることが多く、道の両端には斜面を固めるために擁壁がよく作られています。
日本のお城にある石垣も、「自然石積み擁壁」と呼ばれる擁壁の一種です。
ただ、現在では技術の進歩により、自然石積み擁壁は強度面の問題で法的には擁壁と認められず、コンクリートやブロックを用いたもののほうが一般的です。
擁壁のある不動産を購入する際の注意点
ブロックやコンクリートなどによる擁壁は頑丈ですが、劣化は避けられません。
耐久性が下がってくると斜面を固めるといった本来の目的が果たせなくなり、土が崩れてくるといった事故も起きかねません。
中古不動産に擁壁がある場合、亀裂や歪みといった異常はもちろんのこと、強度面の調査が行われていれば結果もしっかり確認しておきましょう。
もし補修や作り替えを自身で行うこともふまえて不動産を購入するなら、費用も忘れずに確認してください。
このほか、擁壁は近隣トラブルにつながりやすいことも押さえておきたい注意点です。
擁壁は周囲の土地との境界に設けられ、崩れたときにほかの家や敷地に被害が生じることも珍しくありません。
それゆえに擁壁の状態や品質について隣近所から指摘を受けることがあり、工事の必要性・時期・方法などを巡って揉めやすいのです。
隣の土地の擁壁が危険な状態にあり、補修を頼んだものの応じてもらえないといったトラブルもあります。
このような擁壁ならではの注意点については事前に押さえておくと良いでしょう。
まとめ
周囲に高低差がある敷地は珍しくなく、擁壁がよく設置されています。
そのおかげで山沿いなどの地域にも敷地が作れるものの、擁壁はどうしても劣化するうえ、近隣トラブルの原因になることもあります。
それぞれの特徴をよく確認したうえで、不動産購入にあたると良いでしょう。
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