- この記事のハイライト
- ●インスペクションの目的は「引き渡し後のトラブル防止」「競合物件との差別化」の2つがある
- ●インスペクションを実施するタイミングは売買契約締結の前
- ●インスペクションの費用は5万円~7万円程度が相場になる
2018年(平成30年)改正宅建業法の施行から、不動産業界におけるインスペクションの位置づけが大きく変化しました。
今後は不動産を売却する際、インスペクションをおこなうケースが増えていくことが予想されます。
今回の記事は、不動産売却の際に必要になるインスペクションとはなにかを解説します。
目的・タイミング・費用まで徹底解説しているので、堺市で不動産売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
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不動産売却で必要なインスペクションの目的
そもそもインスペクションという言葉を聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。
この章では「インスペクションとは何か」「どのような目的で実施するものなのか」という疑問にお答えします。
インスペクションとは
インスペクションは、建物の劣化状況を目視・動作確認などで検査することです。
インスペクターという専門家が物件を直接訪問し、実物をみながら検査します。
建物に劣化や欠陥が見られる場合は報告してもらい、今後の修理計画について助言をもらうことも可能です。
対象物件の規模にもよりますが、検査時間は3時間程度かかると考えておきましょう。
宅地建物取引業法のインスペクション
2018年(平成30年)改正宅建業法の施行によって、宅地建物取引業者は不動産売却の3つのタイミングで一定の措置を講じることが義務付けられました。
1つ目のタイミングは媒介契約締結で、インスペクターのあっせんに関する事項を記載した書面を依頼者に交付します。
2つ目のタイミングは重要事項説明で、契約成立までの間に宅地建物取引士がインスペクションの結果などを記載した書面を交付・説明しなければなりません。
3つ目のタイミングは売買契約が成立したときに、建物構造上主要な部分について当事者双方が確認した事項を記した書面を交付する流れです。
インスペクションの種類
日本国内では、建築士が実施するインスペクションとその他の資格者が実施するインスペクションの2種類があります。
前者のことを建物状況調査といい、改正宅地建物取引業法に定められているインスペクションと同義です。
建物状況調査は「既存住宅状況調査技術講習」を修了した建築士だけがおこなえます。
後者は建築士でなくても実施できますが、改正宅地建物取引業法に定められているインスペクションとは区別しなければなりません。
宅建業法が改正される以前からインスペクションという言葉があったので、2種類のインスペクションが混在してわかりづらい状況になっています。
不動産取引の際は、混同しないように注意しましょう。
インスペクションの目的
インスペクションの目的は2つあります。
物件引き渡し後のトラブル防止する目的
1つ目は、物件引き渡し後に買主とのトラブルを防止する目的です。
物件引き渡し後に契約書に記載していない不具合が起こると、売主は契約不適合責任に問われてトラブルになるおそれがあります。
買主から補修や損害賠償を求められ、売主が大きな損害を被るケースも少なくありません。
契約不適合責任のリスクを軽減するために、現状の劣化状況を知るための目的でインスペクションを利用する人が増えています。
建築士による建物状況調査であれば既存住宅売買瑕疵保険の加入条件項目も検査項目に含まれているので、万が一引き渡し後に不具合があったときに保証してくれる保険にも加入しやすいです。
さらに既存住宅売買瑕疵保険の証明書は、中古住宅関連の減税適用の必要書類としても利用できます。
住宅ローン減税などの税制優遇を受けられるため、買主にとってもメリットが大きいでしょう。
競合物件との差別化を図る目的
2つ目の目的は、同じ時期に販売されている競合物件と差別化を図ることです。
買主にとっては、インスペクションを実施済みの物件のほうが劣化や欠陥をあらかじめ把握したうえで購入できるので安心感があります。
インスペクションを実施していない物件よりも不動産売却を有利に進められる可能性が高いでしょう。
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不動産売却で必要なインスペクションのタイミング
この章ではインスペクションは不動産売却のどのタイミングでおこなうべきなのか解説します。
インスペクションを実施するタイミングは媒介契約締結後
通常の不動産売却では、売却査定前に不動産会社に売却したい旨を相談します。
その後売却査定を経て依頼する不動産会社が決まったら、次は媒介契約の締結です。
媒介契約締結のタイミングで、不動産会社からインスペクションやインスペクターのあっせんに関する説明を受けます。
インスペクションの実施を希望する場合は不動産会社にその旨を伝え、インスペクターをあっせんしてもらいましょう。
必要な修繕が終わったタイミングで売却活動スタート
インスペクションの結果、すぐに修繕すべき劣化や不具合が見つかった場合は修繕完了のタイミングで売却活動をスタートさせましょう。
もちろん買主に劣化と不具合があることを伝え、納得してもらえる場合は、修繕せずに売り出すことも可能です。
ただし修繕をしないのであれば、不動産会社が最初に出した査定額より低い価格で売り出すことが必要です。
不動産会社の査定額は、不具合がないことを前提に算出している価格だからです。
査定額と同等の価格で売却したい方は、修繕を終えてから、売り出すことをおすすめします。
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不動産売却で必要なインスペクションの費用
最後に不動産売却のインスペクションにかかる費用について解説します。
インスペクションの費用相場
インスペクションの費用相場は、5~7万円程度と考えておくと良いでしょう。
検査対象の物件が「マンションか一戸建てか」「面積がどのくらいか」によって、費用相場は異なります。
マンションの場合はだいたい5万円程度、一戸建て住宅の場合は大規模なものだと7万円程度かかることもあるでしょう。
依頼する検査会社によっても費用の考え方が異なるので、しっかりと比較検討することが大切です。
インスペクションの費用内訳
インスペクションの費用には、インスペクターや事務スタッフの人件費・物件までの交通費・報告書作成費用などが含まれます。
物件までの交通費は遠方であるほど高く付くので、できるだけ物件から近い場所にいるインスペクターを紹介してもらうのがおすすめです。
検査に高額な機器を使用する場合は、その損料も請求されることがあるでしょう。
インスペクションのオプション費用
目視・動作確認の検査よりも踏み込んだ検査をする場合は、オプション費用がかかるのが一般的です。
たとえば床下・天井裏の検査やサーモカメラ・ファイバースコープカメラなどを使用した検査は、オプション費用が10万円以上かかることが多いです。
築年数が古い物件を売却する場合は見えない部分に重大な不具合が隠れていることも多いので、必要に応じて追加を検討しましょう。
自治体によっては補助金を利用できるところもあります。
費用削減につながることもあるので、自治体のホームページや不動産会社に問い合わせてみましょう。
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まとめ
インスペクションは費用がかかりますが、売主に大きなメリットがある制度です。
わたくしども「ブリスマイホーム」は、堺市北区・堺市堺区・大阪市住吉区・堺市西区・堺市中区・堺市東区を中心に不動産仲介をおこなっています。
インスペクターのあっせんもおこなっていますので、不動産売却を予定されている方はぜひお気軽にご相談ください。
【ブリスマイホームにお任せください】