親名義の空き家であっても、子どもが勝手に売却することはできません。
親が高齢になったり、認知症になったりしたときに、どう売却すればいいのか悩んでいる方も多いでしょう。
今回の記事では、親名義の空き家を売却する方法をはじめ、認知症になったときの対応と注意点について解説していきます。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市の売買一戸建て一覧へ進む
親名義の空き家を売却する方法
親名義の空き家を売却する場合、その手続きにはいくつかの方法があります。
はじめに、その方法について詳しく解説します。
方法①:親の代理人として空き家を売却する
親名義の空き家を売却する際、もっともシンプルな方法は代理による売却です。
親が空き家を売ることに同意しており、年齢や健康上の問題で、親本人が売却活動をおこなえない場合、子どもが任意代理人となって空き家を売却することができます。
しかし、代理人として売却するには、親が記名押印した委任状が必要です。
この委任状を不動産会社に提示することで、子どもが親の任意代理人として売却活動をおこなうことができます。
また、任意代理人による空き家売却では、必ず親への本人確認がおこなわれることを知っておきましょう。
親が認知症になってしまった場合の代理は、別の手続きを踏まなければなりません。
あくまでも親の判断能力が健全な状態であり、売買契約に立ち会えないような事情がある場合に限ります。
代理とは
代理とは、本人に代わって別の人間が意思表示をし、法律行ためをおこなうことです。
不動産の売却においては、売却価格の値引きや引渡し時期などの条件に一定の判断を伴うことがあるでしょう。
本人に聞かずに、この判断をおこなえる人のこと「代理人」といいます。
代理人には、任意代理と法定代理の2種類があります。
任意代理は、親と代理人との契約によって発生する代理であり、法定代理は法律の規定により発生する代理です。
代理で不動産を売却しても、効果は本人に及ぶため、お金は本人である親に入金され、代理人である子どものものにはなりません。
委任状の作成のポイント
任意代理で親名義の空き家を売る場合には、親が子どもへ代理権を委任していることを第三者へ示すために「委任状」が必要です。
委任状の作成のポイントとしては、付与する代理の内容を具体的に明記することが挙げられます。
委任状には親が実印で押印し、印鑑証明書も添付することが一般的です。
また、委任状はご自身で作成することも可能ですが、売却を依頼する不動産会社に依頼すれば、無料で作成してもらえることも多いです。
方法②:空き家を相続して子どもが所有者として売却する
もし親が亡くなっており、空き家の名義人として子どもが相続している場合は、子どもが所有者として直接空き家を売ることができます。
この場合、まず相続登記をおこなう必要があります。
相続登記とは、法務局にておこなわれる手続きで、相続人としての権利を確定させるものです。
相続登記とは
相続登記の具体的な流れは以下の通りです。
●1.死亡届の提出
●2.相続人と財産についての調査
●3.遺言書の有無の確認
●4.遺産分割協議による相続人の決定
●5.法務局にて相続登記の申請
相続登記の申請は個人でも可能ですが、手続きには注意が必要です。
内容に不備があると余分な相続税がかかる可能性もあるため、専門家へ相談することをおすすめします。
相続登記の申請にかかる司法書士報酬は5~10万円程度が相場で、司法書士や弁護士に相談することで、スムーズに手続きを進められるでしょう。
▼この記事も読まれています
不動産を売却するときに庭木はどうしたらいい?処分をするべきかを解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市の売買一戸建て一覧へ進む
認知症になった親名義の空き家を売却する方法
親が認知症になってしまうと、法的に意思能力がないと見なされ、子どもが代理で空き家を売ることは難しくなります。
こうした場合には、「成年後見制度」の活用が一般的です。
成年後見制度は、認知症や障がいなどによって判断能力が不十分な方を、法的に保護する制度です。
判断能力が低下すると、悪意を持った 方に騙されて不利な契約を結んでしまう可能性があります。
そのようなリスクを回避するために、本人をサポートする後見人を設けることが成年後見制度の目的です。
成年後見制度には、「任意後見制度」と「法定後見制度」があります。
ここからは、認知症になった親名義の空き家を売却する方法について解説していきます。
方法①:任意後見制度を利用する
任意後見制度とは、判断能力がまだ十分にある段階で、将来的に判断能力が低下する可能性がある場合に備えて、あらかじめ後見人を指定する制度です。
任意後見人は、本人の生活や財産管理などを委託されます。
この制度では、本人と任意後見人が公正証書によって委任契約を結びます。
親の断能力があるうちに任意後見契約を結ぶ必要があるため、認知症が進行した後では制度を活用することができません。
家族間でよく話し合い、将来のことを考える際に、制度の利用を検討することが重要です。
また、実際に親の家を売却するときには、裁判所と任意後見監督人の許可を得る必要があります。
方法②:法定後見制度を利用する
法定後見制度では、家庭裁判所が後見人を選出し、本人が不利益を被らないように代理して契約をおこないます。
後見制度は後見、補佐、補助の3つに分かれており、それぞれの役割が異なります。
後見制度を申し立てる際には、子どもを後見人の候補として推薦することも可能です。
ただし、親の資産が多額である場合には、子が親の後見人になって不動産を売却することは難しいのが現状です。
その場合は、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれます。
▼この記事も読まれています
家を売却するとき本籍変更が必要かどうかを解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市の売買一戸建て一覧へ進む
親名義の空き家を売却するときの注意点
親名義の空き家をスムーズに売るためには、注意点もあります。
たとえば、土地の境界線があいまいな状態では、のちのちトラブルになりかねません。
最後に、親名義の空き家を売却するときの注意点について解説します。
注意点①:土地の境界線の問題を解決しておく
売却を検討している空き家であっても、土地の境界線を確認しておくことは重要です。
土地の面積を正確に測量し、隣地所有者からの署名捺印を得て登記をおこなうことで、境界線確認が完了します。
とくに住宅地では、建物が密集しているため、境界線が明確でない場合があります。
さらに、昔からの口頭でのやり取りで境界線を定めているケースもあり、不正確な情報が登記されていることもあるでしょう。
隣地とのトラブルを避けるためにも、売却時に買主から境界線確認と登記を求められることが一般的です。
親名義の空き家を売るときには、事前に境界線の問題を解決しておきましょう。
注意点②:買主に対して契約不適合者責任が発生する
売却した空き家が契約内容を満たしていない場合には、売主に契約不適合責任が問われる可能性があります。
契約書に記載のないシロアリや水漏れ、土壌汚染、事故物件などの場合、契約不適合責任が発生します。
この責任が問われると、売主は補修費用の支払いや契約解除、損害賠償請求などを受ける可能性があるので注意しましょう。
とくに相続した空き家の場合は、家の状態を正確に把握せずに売却してしまうことが多く、責任が問われやすくなります。
空き家を売却するときには、家の状態をしっかり把握し、買主や不動産会社に正確に告知することが必要です。
▼この記事も読まれています
不動産売却で必要な告知書とは?作成するときの注意点を解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市の売買一戸建て一覧へ進む
まとめ
親名義の空き家を売る場合、代理人として空き家を売却する方法と、相続して所有者として売却する方法があります。
しかし、親が認知症になってしまうと、子どもが代理で空き家を売却することは難しく、こうしたケースでは「成年後見制度」の活用が一般的です。
親名義の空き家を売却したいとお考えでしたら、注意点なども理解した上で、ご自身のケースに合わせた対応をおこないましょう。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市の売買一戸建て一覧へ進む