- この記事のハイライト
- ●空き家増加の主な原因は「高齢者の増加」「相続トラブル」「固定資産税対策」「所有者の認知症」があげられる
- ●家族信託制度は家族に実家の管理・処分を託す方法で、空き家対策として有効である
- ●所有者が認知症になると家族信託を利用できなくなってしまうので、元気なうちに専門家に相談する
実家が空き家になるのを防ぐ制度として、家族信託があります。
家族信託契約を結んでおけば、万が一高齢や認知症で判断能力が低下しても不動産の運用を家族が代わりにおこなうことが可能です。
今回は空き家対策としての家族信託について解説します。
堺市北区、堺市堺区、住吉区、堺市西区、堺市中区、堺市東区で空き家を相続する可能性がある方は、ぜひ参考にしてください。
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空き家対策になる家族信託①空き家問題の原因
近年日本では、空き家が増え続ける「空き家問題」が深刻化しています。
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、2018年の全国空き家率は13.6%と過去最高水準です。
空き家の数は848万9千世帯にのぼり、30年で2倍以上に膨れ上がっています。
そもそも空き家が増加するのは、どのような原因があるのでしょうか。
ここからは空き家問題の原因と空き家を放置するとどうなるかについて解説します。
空き家問題の原因
原因①高齢者の増加
高齢化により高齢者の数が増加するにつれて、空き家の数も増加しています。
元気なときは家に住むことができますが、病気や要介護状態になったときは別です。
病院への入院や介護施設の入所がきっかけで、実家が空き家になるケースは少なくありません。
2019年の「高齢社会白書」によると、65歳以上の高齢者がいる世帯は全体の49.4%です。
この結果は、およそ半分の世帯が高齢者世帯ということになります。
今後も高齢者数は増加する一方なので、空き家の数もさらに増えていくでしょう。
原因②相続トラブル
相続トラブルが原因で、空き家になってしまうケースも多いです。
所有者が亡くなると、相続人の間で遺産分割協議がおこなわれます。
しかし遺産分割協議で相続人同士が揉めてしまうと、だれが相続するのかわからないままです。
遺産分割協議が中断した状態で眠らせてしまうと、やがて所有者不明の空き家になってしまいます。
原因③固定資産税対策
固定資産税の課税制度も、空き家が増えてしまう原因としてあげられます。
固定資産税は建物や土地の所有者に対してかかる税金です。
固定資産税には住宅用地の特例があり、住宅の敷地として利用されている土地の固定資産税は軽減されます。
空き家を解体して更地にすると住宅用地の特例は受けられないため、固定資産税の負担が増えてしまいます。
そのため固定資産税対策として、空き家を壊さず残しているケースが多いのです。
原因④所有者の認知症
所有者が認知症になると資産凍結となり、実家を売ることができません。
認知症が原因で売るに売られずという状況になってしまい、空き家となるケースも珍しくありません。
2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人です。
これは高齢者の6人に1人が認知症ということで、決して他人事ではありません。
空き家を放置するデメリット
特定空家に指定される
「空き家等対策の推進に関する特別措置法」による特定空家に指定された場合、さまざまなデメリットが懸念されます。
特定空家とは、そのまま放置すれば危険や衛生上有害となる状態の空き家のことです。
自治体から空き家を撤去・修繕するよう勧告を受け、固定資産税の住宅用地の特例は受けられなくなります。
さらに自治体からの命令にも応じなかった場合は最大50万円以下の過料が課せられるので注意が必要です。
周囲に迷惑をかける
放置された空き家は倒壊したり放火されたりして、周囲に迷惑をかけるおそれがあります。
害虫が発生して不衛生な状態なり、周囲からの苦情が来ることもあるでしょう。
周囲に迷惑をかけないためにも、空き家を放置しないことが大切です。
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空き家対策になる家族信託②家族信託の制度内容
家族信託は空き家対策になりうる制度として注目されています。
ここからは家族信託の制度内容について解説します。
家族信託の制度内容
家族信託とは信託契約にもとづき実家の名義を家族に移し、家族に財産管理をしてもらう制度です。
将来親の判断能力が低下しても、実家の管理は家族が代行できます。
必要に応じて実家を売却・賃貸し、得られた収益を親の介護費用や入院費用にあてることも可能です。
家族信託の制度は委託者・受託者・受益者の3者によって成り立っています。
委託者…実家の管理運用を委託する方
受託者…実家の管理運用を引き受ける方
受益者…実家から得られる利益を受け取る方
委託者と受益者はもともとの所有者である親で、受託者は家族などの後継者がなります。
委託者は実家の管理を受託者に任せ、受託者は適切な管理をおこないます。
管理するうえで利益が発生したら、受益者である親がその利益を受け取る制度です。
信託契約を結ぶにあたっては、専門家と一緒に以下のような項目を決めなければなりません。
受託者をだれにするか
信託の目的
信託財産の管理方法
信託の終わらせ方
家族信託を利用する条件
親が元気なうちしか利用できない
家族信託は制度上、親が認知症になってからでは利用することができません。
家族信託という制度は信託契約にもとづく制度だからです。
認知症など判断能力が低下した方が信託契約を結んでも、その契約は無効になってしまいます。
将来実家が空き家になるのを懸念して家族信託を検討しているのであれば、早く動き出すことが大切です。
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空き家対策になる家族信託②家族信託のメリット
家族信託には空き家対策上さまざまなメリットがあります。
ここからは家族信託のメリットについて解説します。
メリット①贈与税がかからない
家族信託の制度を利用すれば、贈与税がかからないメリットがあります。
親が委託者と受益者を兼任する自益信託は贈与にはあたりません。
家族信託にしても利益を受け取るのは親なので、実質的な所有者は変わっていないとみなされるためです。
メリット②受託者の判断で処分可能
家族信託では受託者の判断で実家を処分できるのがメリットです。
成年後見制度を利用する場合、処分する前に家庭裁判所の許可を得なければなりません。
家族信託ではそのような手続きが必要なく、スピーディーに売却や賃貸ができます。
実家を眠らせる期間を短縮できるため、空き家対策として有効です。
メリット③先の代まで財産承継できる
受益権の財産承継を先の代まで引き継ぐことができるのもメリットです。
通常の相続では財産承継について被相続人の意思が反映できるのは、被相続人から相続人の一次相続までです。
家族信託では信託契約によって、子どもや孫の先の代まで財産承継の意思を反映できます。
メリット④受託者にしっかり管理してもらえる
家族信託では受託者にしっかりと空き家を管理する義務が発生します。
そのため受託者が途中で空き家の管理を投げ出すリスクは少ないです。
安心して管理を任せることができるでしょう。
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まとめ
家族信託はメリットが多く、空き家対策として効果的な手段です。
認知症になると利用できなくなってしまうので、元気なうちに専門家に相談することをおすすめします。
わたしたち「ブリスマイホーム」は堺市北区、堺市堺区、住吉区、堺市西区、堺市中区、堺市東区で不動産仲介をおこなっています。
空き家を相続予定の方や家族信託の利用を検討している方は、いつでもお気軽にご相談ください。
【ブリスマイホームにお任せください】
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